1.赤外線装置法での調査原理
(出典はいずれもサーモグラフィ協会より)
(出展:社団法人建築・設備維持保全推進協会BELCAより)
診断を依頼する発注者の中には赤外線装置法の適用限界を理解せずに測定箇所や時期を指示することがあります。
その場合、事前の打合せにて、以下に示す適用限界について発注者に十分に説明するとともに、赤外線装置法により測定できる範囲と、出来ないために打診を行う範囲がある事を理解してもらう事が重要と考えています。
1)季節、天候、時刻及び気温等自然現象により影響を受ける
2)雨天又は曇天で日中の気温格差が5℃未満あるいは風速5m/sec以上の場合は測定できない。
3)壁面の方位、壁面と赤外線装置の距離、仕上げ材の材質・形状・色調及び下地材の影響を受ける。
4)壁面と赤外線装置法カメラの間に樹木や高い塀などの障害物があると測定できない。
5)建物室内の暖冷房機器又は屋外機の発熱等の影響を受ける
6)赤外線装置の種類や画像処理方法により診断結果に差異が生じることがある
7)軒裏、出隅入隅、ベランダや庇等の突起物のある場合、笠木、雨樋や柱の日陰となる部分、窓枠近傍及び凹凸の甚だしい建物では測定できない。
8)測定角度(水平垂直とも)法線に対し45°以内が望ましい。